ソーダブラスト始めました

#441

2017年09月24日 00:56



ここ数日、スタッフと一緒に試行錯誤でゴソゴソ進めてきましたが、
ようやく今日「こんなモンかな・・・」と言うレベルまで漕ぎ着けたのが、
サンドもアルミナもガラスビーズも使わないソーダブラストです。


ソーダブラストは、サンドやガラスビーズのようなドライブラスト、
非常に手間がかかるが美しく仕上がるウエットブラストとは違い、
重曹をメディアとする、ちょっと一般的ではない?ショットブラストの事です。

では、なぜ「サンドブラスト」や「ウエットブラスト」では無いのか?というと、
一言で言うならば「メディアがエンジン内部に残るのが嫌だから」です。

いままでサンドブラストもウエットブラストも、ご要望とあらば優秀な業者さんに委託しておりましたが、
かなり丁寧に洗浄された部品であっても、100%メディアが除去されていることは無く、
弊社で活躍している「超音波洗浄機」で30分×2回洗浄しても、まだ微量にエンジンの表面に残っているので、
1度フィルターで洗浄液を濾して、更に30分×2回洗浄して、ようやくメディアが底に溜まらないくらい、
ガラスやサンド・アルミナ等のメディアは「除去・洗浄に非常に手間がかかる」のを実感していたからです。


もちろん、それを知っているショップさんは非常に時間をかけて洗浄を行っていると思うのですが、
私個人としては「綺麗にするためのショットを除去するための洗浄に時間が掛かる」というのが、どうも納得いかず、
自社設備として設置するのは、どうしても気が乗らなかったのです。

そんな時、Facebookのシェアで知ったのが「ソーダブラスト」で、
メディアは重曹を使うので、ショットメディアは水に溶けるため、後処理が簡単!
しかも、ドライアイスブラストのようにアイスを貯蔵しておく手間もいらない。

もちろん、溶けてしまえば「エンジン内部に残ることも無い!」ということで、
これならば!と購入してみたものの、これが、いろいろ問題があって上手く機能しない(爆


色々ある中で1つ大きな現象として、サンプル動画ほど「スムーズにメディアが噴射しない」
もう1つはBOX無しで噴射すると「想像以上に真っ白になってしまう」と言う事でした。

1つ目の原因は、直圧式にもかかわらず「大きなエアー圧力と流量を必要としている事」
2つ目は「サンドやアルミナよりも微細なメディアであるため、前者よりも舞っている時間が長い」と言う事でした。
そして、この重曹メディアが「まあまあ高い」というのも、痛いポイントでした。

「ああ、コレもまた広告に乗せられたクチか・・・」と落ち込んでみたものの、買ったお金が戻ってくるわけも無し。
創意工夫で、機能させるためにあれこれ考えた結果が、コレ



外で噴射させるのではなく、一般的なBOXタイプのブラスト機器にするため購入したのは、
電気工具で有名なHOZAN製PPブラストボックス



どうしても暗くなりやすいブラストBOXですが、全体をPPで作ることで昼間ではライト無しでも明るく、
夜は内部ライトと横にスタンドライトでも照らせば、昼間とそん色ないくらいに明るいんです!
知り合いの所にあって、ブラストボックスを買うなら、絶対にコレ!と決めていた物です。

元は1リットルほどのボトルに溜まるメディアを、負圧で循環させる一般的システムでしたが、
購入した「直圧式ブラストボンベ」に対応すべく、下にペール缶を置いて重曹メディアを回収するようにしました。

右の青いのがショット用の直圧ボンベです。
もともと、コレだけシステムだけで売っており、BOXは初めから無し。



其処にフットスイッチを入れ、ボールバルブやらエアーニップルやら、径を大きくしたり小さくしたりしたけれど、
それでも今まで工場内で使ってた小さなコンプレッサーでは「スグにエア圧が下がってしまう」ため、
思い切って「スクリューコンプレッサー」買いましたよ(^^;)
タンクは50Lですが、あっという間に充填してしまう能力に感心しました。もっと早く買えばよかった。。。
でも、システムの中で唯一の中古品なのに、コレが一番高かった・・・(苦笑



KSR-2のクランクケースです

ここは、チェーングリスやチェーンの錆、キャブから漏れたガソリンのガム等がこびり付く、不毛の地です。

これが、こんなに綺麗に!(^^♪

けれど、ソーダブラストはサンドやアルミナほど強く攻撃しないので、錆の黒ずみなどは上手く取れません。



ウエットブラストのように綺麗な仕上がりになるのは「もともと綺麗な所」であり、
汚れがひどいところは「それなり・・・」な仕上がりです。



キャブもこんな感じ。 

綺麗にはなっていますが、サンドほど全部削れてはいないし、ウエットほど艶めかしくも無い感じ。
物足りないと言えば、物足りないかもしれませんが、「手で洗浄する」レベルでは決して届かないクオリティです。

もっとマットな感じにしたければドライブラストにしたでしょうし、シットリとした好みの仕上がりが良ければウエットにしたんでしょうが、
何より「後処理が楽で、メディアがエンジンに残らない」という大前提で、
手で洗うより早く・楽に綺麗になるという1番の目的が達成できたので、良しとします。

これで、スタッフの池サンやネジ君も少しは楽できるでしょうww

立ち仕事には変わりありませんが、幾らこすっても綺麗にならないケースに嫌気がさすことなく、
お客様には綺麗なエンジンでお渡しできると思います。



もっとも、今まで手で洗っていた仕上がりにも、私自身が納得するまで綺麗にしていましたけどねww

もう少し改良を重ねて、より早くより美しい仕上がりになるよう、努力していきます。

明日も頑張ります。


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