先日「お前のブログ見てNinja250SLのピストン組んだら、エンジン焼き付いたわ!ボケェ!!」と、いきなり電話でクレームがあったのですが、とうぜん向こうは自分の素性は語らず、誹謗中傷を吐き捨てて電話を切ったので、ドコの誰かは判りませんが、
たぶん何処かのSNSで悪口書いてるのでしょう。 ま、探しませんけどね(笑
そんな輩なので、整備スキルも「ソレナリ」なんでしょうが、
それにしても、腰上開けるくらいの事をする人間が組んで、簡単に焼き付くって???
と2~3日疑問に思っていたので、シェルパエンジン組むときに取り寄せた、
KLX250純正ピストンとNinja250SL純正ピストンを比較してみました。
まず、単純に重量だけ測ったらKLX250の方が、2.2g軽い。
パッと見て何も変わらないのにね
うん。パッと見て何も変わらない。
あーいやいや、まてまて。ちゃんと見ようね。
右は、KLX250純正ピストン
左は、Ninja250SL純正ピストン
ピストンスカートに向かう腕が太くなっていて、そのままスカートの補強となっている。
ピンボス周辺のリブも隅Rが違うし、比べてみると雰囲気が随分違う。
ピストンスカートへの応力に対し、変形しないよう強化しているという事は、
高回転に対応しているという事なのかな。
まあ、よく見れば・・・違いは判るのだけれど、
パッと見ては、何も変わらないように思えるだろうね
ピストントップの様子も、
パッと見、何も変わらない
あーいやいや、INもEXもリセスが若干深くなってるように見えるぞ?
ここりゃ、どういうことだ??
そう思って、ピストンピンを入れてお互いのピストンを比べてみた。
同じ物ならピストントップが水平に・・・・水平に??? 水平にならない!!??
コチラが、KLX250純正ピストン
ピストンピンからトプまでの数値
*簡易測定なので、細かい事言わずに見てね。
コレがNinja250SL純正ピストン
鋳造ピストンなので、正確にトップの面を出すのは難しいけれど、
約0.1mmピストンピンハイトが高い。
シリンダーの高さもガスケットの厚みも2者は共通なので、0.1mmスキッシュが狭いことになる。
実際、シェルパのピストンを組むときに計測した時、明らかに0.1mmは狭かった。
燃焼室容積は実際に2者を私自身が調べたわけではないのだが、
協力してくれたショップ様が計測した結果では、此方も僅かにSLの方が容積が少ない。
=圧縮が高い
0.1mmピストンピンハイトが高いだけで、圧縮比が11.0→11.3になるとは思えなかったが、
ピストンと燃焼室容積を合わせて組むと、KLXよりも高圧縮なエンジンになるという訳だ。
だがしかし
高圧縮だけでピストンが焼き付くか? いや、無いだろう。
焼き付くには、別の問題があるはずだ。
ふと、何気にピストンリングを見たら、明らかに。いやパッと見ても!
KLX250純正ピストンリングの方が、幅が広い!
*2枚とも、上がKLX250純正リング 下がNinja250SL純正リング
TOPリングはテーパーカットが入っているので、計測しやすい2NDリングを測ってみたら、
0.1どころか、0.3mmも幅が広い。
なるほど。
焼き付いた!とクレームを言ってきた男は、たぶん「NINJA250SLピストン」に「KLX250純正ピストンリング」を組んだのだろう。
ピストンリング溝には、奥行きに余裕がある訳ではない。
2.5mm幅のリングを収める溝に、0.3mmも幅の広いリングを入れたらどうなるか?
当然ながら、リングは完全に収まりきらず、強い張力を保ったままシリンダーに入れられることとなる。
そりゃあ、焼き付いて当然だろう
実際の焼き付いたピストンを見ていないから、コレも考察だけなのだが、
ピストンとリングが焼き付いたのが先か?
強い張力でリングとシリンダーが焼き付いたのが先か??
いずれにしろ、思い込みで2者の組み合わせを間違えたことが災悪だろうね。
ココでは公開していませんが、ピストンの外径はほぼ同じで、メーカー規定値通りでした。
そして、0.3mmも幅が広いリングを使うKLX250純正ピストンは、
リングとセットで重量測定すると、約1.0gしか変わらない重量でした。
結論から言うと、Ninja250SL純正ピストンは高圧縮で高強度、
KLX250にも流用可能
けれど、ピストンリングもNinja250SL用をつかう事
パッと見て何も変わらない
って目検討は、当てにならないですからね!
ちなみに、KLX250に組むと圧縮比11.5になるWossnerピストンですが、
当然ながら、Ninja250SLに組むと更に圧縮が上がります(^^
組み付けるのが楽しみですね~
CM:Wossner:KLX250用鍛造ピストンの御用命は、SUS441まで~♪
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