GROMエンジン完成
分解していったところ、遠心フィルターにスラッジがタップリ残っていました。
初めてのメンテナンスなので、新車からずっと溜まっていたことになります。
「遠心フィルター」とは、読んで字のごとく「遠心力によってスラッジとオイルを分離させて、オイルのみ潤滑させる機能」であり、その構造から
「定期的に分解して、スラッジ除去」を行わなければ、
スラッジはどんどん堆積していきます。
堆積したスラッジが流れ出る場所は・・・・クランクシャフトです。
スラッジ=金属粉ですから、金属の粉がミクロン単位で管理されているベアリングに混入したら・・・・
クランク破損に繋がるわけです。
出来れば、4~5回のオイル交換に1度くらいはクラッチカバー、遠心フィルターカバーを開けて、
スラッジ除去を行って欲しいものです。
スラッジ除去は、綺麗なペーパーウエスでそっと吹き上げて行って下さい。
決してサイドスタンド掛けて、パーツクリーナーでドバドバ吹きかけたりしないで下さいね。
パーツクリーナーの液体がスラッジを取り込み、そのままクランク大端に流れてしまいますからね。
エンジンフィルターガスケットは、毎回交換して下さい。
*緊急時は再利用可能です。
エンジン本体は大きな傷みも無かったのですが、全てのベアリング類を交換。
クランクの芯出しを行って組込み、ミッション類は超音波洗浄を行って組み込みました。
ピストンも新品に交換しました。
ヘッドもカーボン除去に動弁系のリフレッシュを行って、完成です。
これから夏場の耐久レースがありますが、ギア抜けやクラッチフィーリング、
大事な「性能のタレ」を考えて、良いオイルで走ってくださいね。
アセアン製のエンジンでも、日本の暑い夏の耐久レースを考えて作られていませんから、
性能がタレにくく、ギア抜けなどが起きにくいオイルを選んでくださいね。
御用命ありがとうございました。
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