
6月になりましたね。
5月はGWもあり、気候も良くなりオートバイに乗りたい方も多くなってきて、
ここ最近、シリンダー修理やメンテのお問い合わせが増えてきました。
こういうタイミングって毎年同じで、動かしてみたらトラブル・・・とか、
冬の間にトラブったエンジンンを、重い腰を上げてナントカ・・・って時期なんでしょうね。
そんなわけでバイクシーズン到来してしまいましたが、なんとか。ギリ?
いやいや、だいぶお待たせしておりましたエンジン君を送り出してきましたので、
ここで一気に5月にメンテしたKSRエンジンたちをご紹介します。

TOP画像のエンジンは、シリンダー刻印を見ていただければわかるとおり、50㏄ベース
ノーマルΦ39から、KSR-2(80)純正Φ47mmピストンへとボーリングして作る、72㏄仕様です。
社外ピストン+ノーマルヘッドで組み込むKITもありますが、
SUS441では「KSR-2純正ピストン+KSR-2純正ヘッド」
の組み合わせを、純正ガスケットで組むことを推奨しております。
まあ、ぶっちゃけトラブったときは(現時点では)純正部品が使えるので、楽といえば楽。
シリンダーベースにはステンレスベースプレートを「純正ガスケットでサンドイッチ」して組み込み、
ヘッド側は各年式で容積やスキッシュエリアがバラバラなので、
ヘッド形状に合わせてガスケットも1枚ないし2枚組で対応しております。
もちろんシリンダーは、単にボーリングしただけではなく、72ccという排気量に合わせて拡大。
それぞれのポートタイミングも、吹き出し角を調整して「2サイクルらしい」フィーリングになるよう、
シリンダーを加工してお届けしております。
マフラーは50も80も共通なのでそのままでOKですが、キャブは80純正がベストマッチです。
もちろん、19.5Φ+αキャブでもOKですよ。
あとは、定番の強化クラッチで滑り対策したらバッチリです。
80㏄のエンジンが高騰していますが、腰下の部品がゴッソリつかえる50㏄ベースの72㏄です。
ただ、一番多いご依頼で、一番トラブルが多いのが、80㏄ベースのエンジンです。
特にどのエンジンというわけではなく、いずれも入院してきたときは泥と油にまみれて真っ黒でした。
そして、シリンダーもクランクもNGで、シリンダーも錆々。。。。なんて、ほぼ全数、全個体です。
メチャクチャきれいで、洗浄しなくてよかった!・・・・なんてこと、皆無です。



クランクサイドベアリングも大端ベアリングも真っ黒・・・・そしてゴロゴロ・・・・
ベアリングが固着してコンロッドが動かなかったり、ガタガタなので隙間から覗いたら、
ニードルベアリングがアリエナイ方向でコンニチワしていたり。。。

クランクケース側も、画像くらいならマシなほうです。錆がケースに付着して、取れないことも多いです。

シリンダーもガリガリで、これはポートを自作加工してあったのですが、
面取りは全く施されておらず、ソコから焼き付いています。

リューターで手加工したのでしょうか?どうやらヘッドを面研した痕跡がありますが、
今回は純正ヘッドに交換しました。

お問い合わせが多い、ソーダブラストの実力を披露します。
上のケースは、チェーンの油でドロドロだったのを水洗いして、下洗浄して、分解後に再び洗浄した物です。
こうしてみても、初めの状態から比べると飛躍的に綺麗になったのですが、まあマダマダですよね。

上の状態から、これぐらいまで仕上がります。
ハッキリ言って、サンドブラストのほうが真っ白に、マットな状態で綺麗に仕上がりますし、
ウエットブラストのほうが、鈍い光沢がある美しい仕上がりになります。
けれど、人の手では絶対に達しないであろう状態まで(時間はかかるものの)綺麗になります。
ウエットブラストは「有償作業」として受け付けておりますが、
ソーダに関しては、今のところ「サービス作業」で行っております。
去年末からボチボチと行ってきたので、ソーダを施していないものもありますし、
もともと綺麗なケースはソーダブラストしないものもあります。
「有償作業で行ってください」とご依頼いただければ必ず施工しますが、
それ以外は、此方にお任せいただき「ソーダブラストしていない!」というクレームは受け付けませんので、ご了承願います。



今回は、シリンダーも全数「再塗装」しました。
これも、最近は「錆々じゃないシリンダーが無い!」くらいの状態ですので、
簡易的ではありますが、ラッカー焼付塗装を行っております。

中二階にある、塗装ブースですww
天井を貼った時の余った材料で、ネジが作りました。 段ボールブースから卒業ですww
そして乾燥させたら窯で1時間ほど焼いて完成。 ラッカーですが、まあまあ丈夫な塗膜ですよ。
もちろん「自分でシッカリ塗装したい!」という方は、エンジン発送前にご自身で塗ってください。
焼き付けなしで「耐熱スプレー」吹いただけでは、下洗いの段階で墨汁のように溶けてなくなりますので、
耐熱スプレーだけは止めてくださいね。

数年前に組んだエンジンで、ジムカーナやミニバイク耐久レースで走ったとのことで、
「クラッチメンテナンス」が主で入ってきたエンジン君ですが、ついでに腰上もチェックしたのですが、
まったくもって「絶好調」な状態だったので、そのままカーボンだけ落として組み込みました。
KSRシリンダーに適した「ホーニング」を行い、良質なオイルを使えば、
基本的にKawasakiのエンジンは丈夫で長持ちすると、確認できたのが嬉しかったです。

SUS441オリジナルフィラーキャップです。
今までの「シャンパンゴールド」から、落ち着いた「チタンゴールド」に変更しました。
これも、長くお待たせしたお客様にはサービスで取り付けさせておリますが、
気に入った方は、販売も行っておりますので、ぜひお求めになってくださいね♡
http://netshop441.hamazo.tv/
KSR-2エンジンは、今日も飛び込みのお客様がいらっしゃいました。
ビックバイクのオーナー様ですが、チョコチョコ走るのはKSRが楽しいんだとか。
フロントフォーク、タイヤ、シリンダー、なんかの話をして、オリジナル4P-CDIをご購入いただきました。ありがとうございました(^^)
明日も頑張ります。