モータースポーツを応援する、エンジン屋@SUS441のブログ

鈴鹿ミニモト:Z125Proテスト

鈴鹿ミニモト:Z125Proテスト

今年2回目の「鈴鹿ミニモト:合同走行会」に行ってきました。

前回は、夏までにテストした結果をもとに製作にこぎつけた「NECTO‐UNLマフラー」の実走テストを行い、
シャーシで空燃比を見ながら作った「エニグマMap」の確認と、実走テストでのオフセット(Map書き換え)を行ったのですが、
性能が上がってスピードが出たことによって「足回りが、ついてこない!」という問題が顕著になってきて、
「足回りが決まっていないので、マップが良いか悪いかの判断が難しい・・・」という事に至り、

今回は、ずっとKSR110で一緒に足回りやエンジン、マフラーのテストを行ってくれていた#14君が、
Z125Proの足回りと、Mapオフセットのために3年ぶりに鈴鹿を走ることになりました!
鈴鹿ミニモト:Z125Proテスト

1本目、KSR110のエンジン特性とZ125Proのエンジン特性との差を説明して、その差と足回りに慣れてもらいました。

ところが、#14君はスグにZ125Proの問題点を指摘。 今現状で行えること、レギュレーションの問題もある中、
2本目までにフロントフォークの仕様を変更しました。



2本目、足回りの状態を探るべく、速いGROMに乗る方達の集団に潜り込みます。

マップが完ぺきではないものの、Z125Proは最高速ではGROMに勝るものの、加速や登り区間でのトルク不足を指摘。
フロントフォークは、改善方向ではあるものの、減衰が合っていないことを指摘されたが、
それは、もう1台のチームメイト♯74号車のフロントフォーク仕様(前回の途中までの仕様)であることを伝えて、
同じ仕様のまま、リアサスを前回の途中まで使用していた物に変更します。

*1 ♯74号車は、エニグマの開発にも使われた、私のブログに発売当初から登場するマシンです。

*2 基本ミニモトSTクラスは「リアサスペンションの変更は不可」ですが、純正リアサスにも個体差はあり、
   なおかつZ125Proには、リアサスのリコール問題もあり、何本かの純正リアサスを準備していました。


そして、指摘された回転数と記録されたA/Fの数値をもとに、燃料マップを少し変更しました。



3本目、リアサス変更の効果は薄く、問題点は変わらないとの事だったので、フロントは続投のまま、
虎の子の「新品サス」を投入することにしました。

*この時点でフロントフォークの仕様を変更しても、サスの問題点がアヤフヤになってしまうため、
 #14君には合わないのを判っているのですが、我慢して走ってもらう事にしました。


逆に、燃料マップの変更は「トルク不足を改善する方向だった」との事だったので、
同じ方向性に、さらに詳しい回転数を聞けたので燃料マップと共に、点火特性も少し変更を加えました。



4本目、リアサスの変更はかなりフィーリングが良くなった。とのこと。
やはり、リアサスの減衰不足が足回りの1番の問題点であり、
純正リアサスのままでフロントを固め過ぎるのは、車体がアンバランスになってしまうので、
KSR110の時のように「妥協のバランスをとる」しかなく、速く走るためには
ライダーはマシンの上で前に後ろに動いて、荷重をコントロールする必要がある。とのこと。

リアサスをNITRONのようなシッカリとした減衰が得られる場合には、もっとフロントは改善するだろう。
というコメントでした。

結果、フロントフォークは♯74号車と同じ(前回の前半までと同じ仕様)から、気温や路面温度が上がり、
タイヤも新しくなった時になど、スピードレンジに合わせて調整していく方向で、
リアサスは「虎の子」は温存して、古いリアサスを妥協しながら乗る・・・という方向性になりました。


エニグマのMap調整は、「かなり良かった。東コースの登り区間も、ヘアピン立上がりの遅れも、かなり改善した。」
・・・という事だったので、気温が上がる次回や決勝に向けて、さらなるマップ調整の方向性が見えてきました。


ミニモトは「ある程度のレベル以上の、マシンとライダー」が集団になった時、あらためて判ることも多く、
今回は「速いGROMの方達」と一緒に走らせてもらえることで、ずいぶん進歩がありました。

もちろん速いチームは、1回1回の走行ごとに速くなるので、我々も同じ歩みでスピードを上げていかないと、
次回の走行で、同じグループに潜り込める保証はありません。
それは、ライバルであるGROMのチームの方達も同じで、更なる進歩をしてくるでしょう。

スリップ合戦と3速・4速の離れっぷりを「どう攻略するか?」で、スプロケやマフラー、Mapの考え方も変わってきます。
この辺りは、マシンこそ違えどGROMもZ125Proも同じです。


次回以降、#14君が開発を手伝ってくれるという保証は無いので、もっと厳しい戦いになるでしょう。

少しづつですが、決勝に向けて頑張ります。




同じカテゴリー(Z125 PRO)の記事
7月のお仕事
7月のお仕事(2018-07-30 00:00)

※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。

コメント

名前
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
削除
鈴鹿ミニモト:Z125Proテスト
    コメント(0)