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K型Ninja250Rエンジン完成

K型Ninja250Rエンジン完成

初年度から数えて、まる10年選手となったK型Ninja250Rエンジンですが、
いまだにサンデーレースでは「丈夫で長持ち(ライフ長い)」「トルクフルで乗りやすい」と、
多くのユーザー様に支持される名機です。

アジアや日本各地の地方戦で多くの2気筒250㏄レーサーが走っていますが、
その先駆けであり、このクラスの近年のベンチマークであり、入門マシンです。

丈夫といっても、走行ごとにオイル交換をシッカリ行って、エアクリフィルターの清掃も行い、
年に1回であるとか耐久を走った後とか、定期的なオーバーホールを行ってこそ、
ベースを同じくして何年も走れる丈夫さを持っている・・・という話。

オイル交換も稀で、乗りっぱなしでもOKという意味ではありません。

K型Ninja250Rエンジン完成

分解してみると、K型ニンジャ「あるある」の#2IN側のスカッフ

「焼き付き」とまでいかずとも、潤滑不良を起こして縦傷も多く、いわゆる「ダキツキ」状態。
こうなってしまうとフリクションも増え、パワーダウンを余儀なくされます。

これは、同一機種であるK型の最終型ピストンを組み込めば、そのあとは殆ど起きません。
もしかすると、当初のピストンとはプロフィールが変わっているのかもしれません。


K型Ninja250Rエンジン完成

ピストン・ダキツキとは直接関係ないと思うのですが、
EX側で一ヵ所「コッター割れ」が起きていました。。。と同時に、シムやリテーナーもNGです。

あわやEXバルブが燃焼室に落ちるところでした。。。

此方が正常な状態。 角が綺麗に出ているのが判りますか?

K型Ninja250Rエンジン完成


K型Ninja250Rエンジン完成

目立つ破損はこの2か所ですが、それ以外にも劣化・損耗している個所も多く、
定期的なOIL交換は行っていたと思われますが、メタルの傷も多く、張力落ちもあったため、
メタル類はほぼ全数交換。

トランスミッションは遊星ボールを撤去して、シフトフィーリングを向上させます。


K型Ninja250Rエンジン完成

クラッチの焼けは無かったので、すべて続投。
弊社アイテムの「クラッチスプリングシート」を入れてプリロード調整と操作性を向上させます。


K型Ninja250Rエンジン完成

スプリングは、定番の「NECTO強化クラッチスプリング」です。


K型Ninja250Rエンジン完成

ピストンは先に説明した、K型の最終型を投入。

シリンダーヘッドは、トラブルがあった個所以外のバルブは続投。
バルブスプリングも、K型の最終型を使用しています。

レースで実績あるタペクリ調整と、バルタイチェックを行って完成です。

夏も近づき、各地で耐久レースがあると思いますが、TOPを走るRR勢やYZF-R25などは、
頻繁にメンテしないと「ウサギ」としてその位置をキープできませんが、

K型はランニングコストと乗りやすさで「カメ走法」を選び、最後に追いつく作戦です。



K型Ninja250Rエンジン完成




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