つま恋サーキットは、ストレートもそこそこあり、高速コーナー・低速コーナー、複合にシケインと、
一般的なサーキットの要素が一通りあるので、過去のKSR-2もKSR110も、みな此処で初期セットを出してきました。
前回の鈴鹿ツインは、雨天だったので機能確認のみ行っただけで、実際のセットアップはこれからです。
8月中には正式にリリースされるであろう「製品版エニグマファイヤー」のお客様フォローとしても、
このタイミングでセット出しすることは非常に意味があります。
それに、8月7日には鈴鹿ツインサーキットで3時間耐久があり、T-craft本隊もエントリーするため、
マフラーは変わっても使用に差支え無い程度に、大まかなMapを作っておきたかったのです。
テストライダーは、元自衛官で頭の中もガチガチの筋肉で出来ているの「もっち~君」
普通、「セッティング頼んだぞ!」というと、アレコレ考えて知恵熱出ちゃいますが、アレコレ考える知能が無ければ、
感じたままに変化を伝えてくれるだろうし、判らない・感じられないのであれば、書き換えたMapも
そう大した差は無かったという事になります。
言うなれば「燃調濃くするよ!」といえば、「濃くなった気がする」と答えるようでは、ダメってこと。
彼には一切の説明も無く「目隠しテスト」で、変化を感じたままに答えてもらうようにしました。
この「エニグマファイヤー」というサブコンは、燃調・点火時期・加速ポンプとMapが3枚あり、
各Mapをバラバラに選択することで、「このmapって、点火時期触ってたっけ??」と再確認すること無く、
点火そのままで、燃調だけ触って書き換えたら別の名前に・・・とセッティングする側としては非常に楽な仕様になってます。
例えば、点火時期はそのままで燃調だけを濃くしたり薄くしたりする変化を見たり、
基本的な燃調mapが出来たら、そのまま点火時期のテストに移行したりと、使う人に合わせて進めたら良いのです。
mapが多くなって、訳判らん・・・と言うよりは、「CDIはPOSHで、メインジェットだけ季節に合わせる・・・」という、
従来型のキャブセッティングと同じ感覚で進められるので、逆に「ライダーには判りやすいな」と思うんです。
ちなみに、
Z125Proには9500rpm付近に「実質的リミッター」があります。
9000rpm付近から点火時期も遅らせ、燃料も間引きと一緒に減少もさせ、
9500rpmふきんで
「自然と頭打ちになるよう」にECUでセットされています。
エニグマファイヤーは、この実質的リミッターを解除。
燃料の減少も間引きもせず、点火時期もそれ以前と比べてそん色ない物に設定されていて、
回るだけなら11000rpmまで軽く回りますが、エンジン特性はKSR110と同じかやや低めの性格なので、
トルクは7~8000rpmをピークに、出力も8500~9000rpmとなっているので、回し過ぎても速くはないのですが、
レースともなれば1つのギアで回してクリアするコーナーもあるので、
このリミッター解除は、サーキットコースを走るには大いなる武器となります。
また、このエニグマの最大の特徴である「通信ケーブルレス」であることは、非常に便利です。
*通信ケーブル式は、お値段が少しお値打ちになります♡
テーブルを忘れたのでシートの上に置いてますが、このモデルは「Bluetooth」で通信できるタイプなので、
ピット横づけの車の中からでも、ピットロードのマシンに通信が出来ます!
僕はモバイルパソコンを使ってますが、エニグマは「スマホ」でも操作が出来る優れモノですから、
わざわざセッティング用にPCを持ち込まなくても良いんです。
・・・と言う感じで、テストは一進一退。 燃調と点火時期を進めていって、進めすぎたら戻る。
戻しすぎたら進める・・・の繰り返しで、「とりあえず」なMapが出来たところで、走行時間も終了。
130周ぐらいセットを変えて走行、Map書き換えて評価・・・を繰り返したもっち~君、お疲れ様でした。
前回から変わったところといえば、「木の屋んカンパニー製」ゼッケンシートカウルを取り付けた事でしょうか。
Z125のシートカウルにフィットして、なおかつ転倒の際に割れないよう、内側に入り込んだデザインは、素晴らしいの一言です。
マフラーは未だKurodaya製KSR110マフラーですが、特に排気量UPに伴う不具合は感じられませんでした。
とはいえ、製品版のエニグマが出来上がったら、それこそ各社いっせいにマフラー開発が進むでしょうね。
グロムのようなHONDA系チームを中心とした、イケイケ・ドンドンなスピード開発とは違い、
ジックリゆっくりと新型グロムの後を追いかけて、来年のミニモトまでにはシッカリ追い付かないとね。
有意義に過ごしましたが、また明日からエンジン中心の毎日に戻ります。
今日もお疲れ様でした。