
またまた1ヶ月くらいブログをサボっていましたねww
今回は、YAMAHAオリジナルエンジンとして最後?になってしまうであろう、
SA36/SA39/SA58J=4stJOGのエンジンメンテです。
ビーノ初期型から数えて、多くの派生モデルがある「ヤマハ3バルブヘッド」ですが、
先のHONDAとの業務提携により、今後はフェイスチェンジのHONDA製作のJOGが出回るのは、
HY戦争を知る人たちから教え受けた世代としては、なんとも悲しい事実です。
だからこそ、愛すべき「YAMAHA3バルブヘッド」を頑張ってメンテナンスしますよ~♪

届いた街乗りエンジンは、走行距離に比べて各部の摩耗は少なかったのですが、
オイル交換をサボった経歴があるのか? 内部はジェル状の汚れが付着していました。。。

面倒な個所といえば、サービスマニュアルに特殊工具として存在しない、
ロングディープが必要なセルギアナットです。
ここは、最近のエンジンでは珍しい「逆ネジ」で固定されています。
トルクレンチも、逆ねじ対応のものじゃないと規定値までトルクをかけられません。
それ以外は、一般的な原動機と同じ工程をサクサク進めれば、分解はできます。

ちなみに、ピストンはこんなに小さいです。
YZF-R6のクラッチセンターナットと、スプロケのオイルシールと比べてみてください。
スプロケカラーとほぼ同じ大きさというところが、このピストンの小ささを表しています。

全ての部品を洗浄したら、クランクベアリング、トランスミッションベアリングを交換して、
トランスミッションを組み込んだL側ケースに、芯だしをしたクランクをケースに組み込みます。

超音波洗浄機で、ドロドロだったギア類も綺麗になりました!

ヤマハ史上、最小のバルブがJOGに搭載されています。

高効率を目指した結果、INバルブはEXバルブの約2倍の吸気面積を必要とし、
完全燃焼を考えた結果、排気速度を高めるためにEXバルブは1本でOKという、
独特の燃焼形状を持つ3バルブヘッドです。
INもEXもバルブ径は殆ど同じになってしまったため、作業者が、見間違えないよう、
・/・・で識別されます。

圧縮比12.0を誇るのは、このピストントップ形状からも伺えます。

シングルカム・ローラーロッカーヘッドで、タペットクリアランスはシム調整です。
パット見て、何か気づきませんか?
そう。ロッカーアームの固定に、スプリングもカラーも使われていないのです。
ロッカーアームの位置決めは、ヘッドカバーにあるリブで決定されます。
ヘッドにある、カムシャフトと同軸のウォーターポンプ、供締めされるブリーザーケースなど、
コンパクト化の努力が見えるエンジンですが、残念ながら生産は終了し、
現在はベストセラーでロングセラーの「GEAR」のみ、このエンジンを搭載しています。

完成です。
駆動系・ローター、ラジエター類は、お客様が組み込まれます。
今回、このエンジンに再度触れることとなり、とても優れた耐久性と機能を持っていると感じ、
今後、スクーターユーザーさんがどれ程「このエンジンに乗り続けたい!」と思う人がいるのか判りませんが、世の中に居ないのなら『ヤマハ3バルブエンジン』を専門に行っても良いかな?と思えるようになりました。
YAMAHA3バルブヘッド、走り続ける人応援します!!!
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