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Ninja650 パワーチェック行ってきました!

Ninja650 パワーチェック行ってきました!

先日エンジンが完成した『 NINJA650 』のパワーパワーチェック行ってきました!

コチラもお預りしてから随分お待たせしてしまいましたが、
本年度よりスタートする「岡山国際ミドルツインクラス」参戦用マシンのセットアップを行いました。


ベース車両は2018年型Kawasaki NINJA650 の程度の良い中古車からのレーサー化です。

エンジンは基本的にST仕様で、圧縮比アップやポート加工、カムシャフト変更などは出来ませんが、
メタル合わせやピストン&リング交換、2次エア-キャンセラーの取り付けと各部ワイヤーロック、
バルブシートカット&擦り合わせ、バルクリ・バルタイ調整でパワーを引き出します。

そして、サーキット走行でスグに根を上げる「クラッチの強化」と「マフラー、エアクリーナーの変更」
そして、ECU書き換えによる「リミッター解除」と吸排気系変更に伴う「燃料補正&点火時期調整」を行います。
Ninja650 パワーチェック行ってきました!

先ずエンジンですが、
中古車ベースという事でメタルは街乗りだと殆どの場合セル一発「ブオン!」とエンジン始動して、
暖気もソコソコに走りだしてしまう方が殆どですから、1週間…ヘタすると数週間エンジンを掛けない「油膜切れ」状態からエンジン始動するため、メタルは傷だらけ=全部交換です。

Ninja650 パワーチェック行ってきました!

たとえ使えたとしてもアセアン生産のKawasakiエンジンて「メタル張力落ち」が殆どなので、
組込み時に無理やり押し込んでいるのか?と思えるほどです。日本製のエンジンでは、こういうことが無かったのに。。あ、脱線です。ww


全ての部品は1次・2次洗浄を行い、最終的に超音波洗浄してドッグの摩耗やクラックが無いことをチェックします。ベースはツアラーなのに、なぜか「カセットミッション」がレース用エンジンにも成りうるぜ!という謎のヤル気が見えます。

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クラッチは、スラストシムの増量とオプションの板厚違いを適量交換しました。
Ninja650 パワーチェック行ってきました!

Ninja650 パワーチェック行ってきました!

鋳造ピストンは一見アタリが悪くなくとも材質的に劣化してしまうので、
新品と交換するだけでポンと性能が出ます。
今やアセアン生産エンジンでは唯一ともいえるメッキシリンダー(たぶんCKD)は、すこぶる優秀です。

Ninja650 パワーチェック行ってきました!

とても現代的でフラットな燃焼室。
バルブはフェースが傷んでいなかったので、カーボン除去で再利用。
シートカット&擦り合わせをバッチリ行いましたが、どうも60度カットがマニュアルでも60度と書いてあるのに浅い。正しくカットとすることで性能も出ると思いました。

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バルタイ・タペクリ調整は性能の要です。
レース向きにバッチリ狙い通り調整しました。


結果は、こんな感じです。

Ninja650 パワーチェック行ってきました!

2018年型Ninja650のカタログ数値が68PSで、ノーマルの後輪出力が約59PSくらいなので、
良い感じに性能出ていますね。

車速リミッターも解除したので、メーター読みでも200㎞をオーバーしました。

回転リミッターも解除しましたが、回転馬力ではなくトルクで走るエンジンなのでしょう。
実際の戦闘力は8000rpmピークの、MAX9000rpmといった感じでしょうか。
実走行の慣らしが進むと、70PSは超えそうな感じです。


マシンスペックです。

Ninja650 パワーチェック行ってきました!

エアクリーナーボックスは基本的にSTDです。

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Ninja650 パワーチェック行ってきました!
Ninja650 パワーチェック行ってきました!

エレメントは、濾紙をカットして弊社で販売している「低抵抗エアーエレメント」を張り付けてました。
メッシュだけだと転倒して砂を喰ってしまいますし、厚みのあるエレメントでは将来的にフレッシュエアやラム圧を導入した際に抵抗になってしまいます。
*NAのままだと、2者とも差は無いんですけどね。

Ninja650 パワーチェック行ってきました!

マフラーは国内メーカーで良い「レーシングマフラー」が無かったので、
ヨーロッパの選手権で活躍しているというAROWWのレース用エキパイ+スポーツサイレンサーを購入し、
サイレンサー内部を加工してレース用としました。

実際のレース用サイレンサーだとバクオン過ぎますし、スポーツサイレンサーのままだとチョークし過ぎで性能が出ませんからね。


Ninja650 パワーチェック行ってきました!

今回のNINJA650のECUの書き換えシャーシでのMapコントロールは、
NINJA250やNINJA400の時と同じく、新城のMOTO☆STAR様が担当しております。

オーナーのアキヒサさんは、自身も鈴鹿選手権にNINJAで参戦しており、
今までの新型ニンジャ(2018~P型)の250、400でもECU書き換えとシャーシセッティングを担当して頂いております。

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今回も協力頂いたライダーさんの実走テストによって実際の空燃比を測定。
走行評価と燃調・点火時期を比較してMapを作り込み、さらに今回のシャーシ測定で特性を掴んだそうなので、ここから更にレースウイークでMapを煮詰めて、より「戦闘力の高いMap」へと煮詰める予定です。

NINJA250も400も「シャーシ測定だけで作り上げたMap」とは一味違う「レース用スポーツ走行Map」をご提供いただいているので、各地でスポーツ走行を楽しんでいる方は、ぜひお問い合わせください。


ちなみに、こうした最近の「インジェクション車」では、バッテリー容量=命となっておりますので、
ECU書き換えがあっても無くても、バッテリ容量は13.0以上をキープするように心がけて下さい。

サブコンやフルコンを使ってサーキットを走ろうとするなら、13.2以上は絶対です。
そうなると、高性能の「リチウムイオンバッテリー」への交換が、ほぼ「標準設定」になってきます。

もう、12.8以下で「昔は大丈夫だった」ってのは、笑いネタにもなりませんからね。


今日は、Ninja650の「ビッグラジエター」のベースラジエターが届くので、取り付け確認等を行う予定です。

午後も頑張ります。




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