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GROMエンジン完成

GROMエンジン完成

ずっとフェイスブックばかりで更新していたら、
ブログを始めてから、初めて「このブログは、一ヵ月以上更新していません。」的なメッセージが出たので、
こちらより更新します。ww

世の中?日本の2輪レース界が「鈴鹿八時間耐久レース」で盛り上がっているころ、
ヒッソリとグロムのケースベアリングを交換していて、週明けに部品が届いたタイミングで完成させました。
GROMエンジン完成

内容的には「ST100仕様」というか、改造制限が少ない「ストッククラス」に準じた内容となるため、
エンジン部品は全て「HONDA純正品」で構成されており、一切の社外部品は使用できません。
そのため、性能が近接してくるため、エンジンメンテナンスも非常に神経を使います。

メンテ内容としては、ケースベアリングの交換、クランクサイドベアリングの交換、
ピストン交換、シリンダーヘッド:シートカット&バルブすり合わせ、動弁系部品の交換、
それに、バルブタイミングの確認と、タペットクリアランスの調整が作業内容となります。
特筆する部分はありませんが、地味な作業の繰り返しに、技術と性能は付いてくると思ってます。


ワンポイント:アドバイス

知ってる人は「つまらない」と思うかもしれませんが、プラグのお話。

GROMエンジン完成

グロムのスパークプラグは、空冷のミニバイクには珍しい「ロングリーチプラグ」が採用されています。
このネジ部が長いのが標準なのですが、中にはエイプやNSF100と同じ長さのプラグを使っている人がいます。

GROMエンジン完成

そうすると、ほら。ネジの奥でプラグが止まってしまってますね。
燃焼室容積も増えて圧縮も低くなり、かつ燃焼室の中心やピストンとの距離も遠くなり、
始動性も困難になるであろうし、パワーも無かったと思います。

GROMエンジン完成

正しくは、コレ。
最近のHONDA車は標準で「イリジウムプラグ」を組んで出荷されている機種も多いですが、
圧縮がそれほど高くなければ、標準プラグでも十分だと思います。


次は、これも単純な「ドレンボルト」

レースでは、ドレンボルトにワイヤーロック用の穴をあけるか、穴があいているボルトを採用するのですが、
社外品の中には「マグネット付き」というものもあって、エンジン内部のスラッジを取り除く・・・・
そんな意味合いを持った商品ですが、そのうちの「マグネットが飛び出している物」は、グロムには使ってはいけません。

GROMエンジン完成

ドレンボルトから上の「1次ストレーナー」までの高さがないため、知らずに締めこむと「ストレーナー破壊」の可能性もあり、
ひいてはストレーナーの破片がクランクのオイル通路に入ってしまわぬとも限りません。

GROMエンジン完成

これで、ぴったり。
純正ボルトに穴をあけるのが大変な方は、HRC部品で「NSF100用ドレンボルト」を購入してくれれば、
長さもネジピッチも全く同じものが届きます。


オイルの話ついでに、もう1点

このエンジンには「濾紙式オイルクリーナー」=オイルフィルターがありません。

グロムには、クランク軸に取り付けられた「プライマリーウエイト」の中に
「遠心分離式」のオイルフィルターが設けられており、定期的にスラッジを除去しなければいけないのですが、
その「存在」すら知らずに、そのまま放置している人も多いと聞くので、画像を掲載しますね。

GROMエンジン完成


ここです

この中に一度オイルが入り、エンジンの回転力でスラッジを遠心分離させ、
オイルだけはクリーンとなってエンジン(この先はクランク軸)にオイル行き渡らせています。

ですから、定期的にスラッジは除去するようにしてくださいね。


GROMエンジン完成

そして、同時進行で進めていた2機目のグロムも完成に近づいています。

明日、バルブタイミングの確認とタぺクリの調整を行えば、完成です。

明日も頑張ります。


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