YAMAHA SEROW225 エンジンメンテンナンス

#441

2020年12月05日 13:22



1997 YAMAHA SEROW225WE(4JG6)

いわゆる、メッキシリンダー&鍛造ピストンになる前のモデルである、旧セローです。

このモデルまで、鋳鉄スリーブで「純正オーバーサイズピストン」が出ていたので、
圧縮が落ちてきたら「0.5mmオーバーサイズ加工」でリフレッシュ出来る、いい奴です♪


基本的に弊社は「エンジンのみ発送」いただいて、完成後に発送するのが常例なのですが、
やはり「エンジンを降ろす工具もスペースも無い」という方もいらっしゃいますので、
ずいぶん前からご相談いただいて、今日は東京都内より自走でお越し頂きました。


なんとこのセロー走行距離が約70000Km!!

この先10年も乗り続けたいとの事で、エンジンはフルオーバーホールです。
必要であれば、シリンダー&ピストンは「0.5mmオーバーサイズ加工」を行う予定です。


オーナー様と楽しいところに行ったであろう傷跡が多いですが、見張るべきはエンジンの外観で、
この距離ならあるであろう「オイル漏れ」が殆ど見られません!!

普通、ガスケットやセルモーターの周辺はオイル漏れで黒いカスがこびり付いているのが定番ですが、
良質なオイルを定期的に交換されてきた、オーナー様の愛情が見て取れるようです。


色々な人からオイル交換サイクルの事を聞かれますが、
レーサーならば、ミニでも600でも「コース走行100分以上なら、即日交換
街乗りならば「オイル量 × km」と答えるようにしています。

どういう事かというと、例えばセローならばオイル量は1000mlなので、交換サイクルは1000㎞毎
オイル量:2400mのミドルクラスlならば、2400㎞もしくは3000㎞以内が望ましいと考えます。

様々なオイル、様々なエンジンを見てきましたが、小排気量ならば少ない量で高回転まで回して使いますし、大排気量はその「熱量」が小排気量とは比べ物にならず、特に1000㏄クラスはどのエンジンもWSBやJSBマシンに直結するハイパースペックであるため、オイルのクオリティも相当なものが求められます。

それを守ってきた車両のエンジンは、やはりコンディションは素晴らしく、性能落ちも少なく、
続投できる部品も多く、その先も何年も走れるコンディションでしたが、ままオイル交換1万キロとか、
5000kmで早めでした!・・・っていうエンジンは、見るも無残にボロボロでした。

もちろん、自分の車両ですから好きにしてくれたら良いのですが、好きになった車両を長く乗り続けるのでしたら「オイル量 × km」の交換サイクルを覚えておいて下さいね(^^)






最近は、セローだけではなく様々な「空冷単気筒:オフロードバイク」のメンテナンス相談を頂きます。

ジェベル200、TT-R250、ジェルパ、XR250系エンジン、SL230系エンジン等、
軽量で扱いやすいオフロードバイクは、もう既に各社廃盤で「2度と出てこないバイク」として、
オーナー様は「廃車か、乗り換えか」で悩んで、悩んだ結果・・・
もう1度新車のようなパワーを!と決心して御依頼いただくのだと思います。

私も個人的に好きな、軽量・空冷・オフロードバイク

元気にしてあげようと思います!!






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