
今季7機目のYZF-R25エンジンメンテナンス 完了しました。
今までの中では、走行距離は比較的少ないけれど、やはり走行スピードと使用回転数、
その回転数を常時使用できるスキルがあるライダーさんが乗ると、消耗は飛躍的に早くなります。
全日本クラスでは、毎戦ごとにエンジンを開けてメンテナンスしている事に比べたら、
まだまだスパンは長いんでしょうが、それでも4サイクルレーサーエンジンと考え、
早めのメンテサイクルが必要になっているのが実情です。

何度もお伝えしているように、
このエンジンのポイントは「ピストン・セカンドランド」のアタリの強さです。
赤丸印の中心が光っているでしょう?
IN/EX方向に強く当たる傾向は、今まで見てきたエンジンの中でも1番です。
使うオイルにも因るのですが、この強く光ってる部分が進行すると、ピストンが焼き付いてしまいます。

こちら側は、完全にメッキが剥離して周囲にこびり付いている。
あと一歩遅かったら、シリンダーも焼き付いていただろう。。。ギリギリなんとか持った感じ。
ピストンリングのアタリからも、まだまだ圧縮は漏れていなかったろうと思われるが、
このアタリの強さだけは、ヤバい。
残念ながら「ピストン交換」だ。


メタルの状態は、当初から比べると良くなってきた。
これでも、良いほうなんですよ。
此方としては、寸法検査とかメタル選定を考えるしか良くなる方法は無いのだけれど、
オイルメーカーさんも、R25の特徴を考えて配分をするようになってきたからか?
当初よりは、幾分か良くなってきた。
けれど、このエンジンは「メタルが先か? それともピストンか??」という感じ。
もちろん街乗りで壊れることは無いと思うけれど、レーサーとして考えるならば本当に厳しめだ。

シリンダーは続投して、ピストンを新品交換としました。
ワイズギアから「重量選定品」がラインナップされているが、季節がら欠品が多いのだけれど、
何個か頼んでみたけれど、ロッドによってバラつきはあるものの、同じタイミングで届く物は、
サイズも重量も、ほとんど同じものが届く。
わざわざ選定品を選ばずとも、精度の良い物は届くんですよ。

シフターを常時使用しているので、気にはしていたのですが、ミッションは3シーズン目に突入しています。
歯当たりも悪くないし、ドッグもナメてない。 もしかすると、排気量相当でオーバークオリティかもしれないが、
ミッション交換は非常に面倒な構造なので、丈夫であることに感謝だ。
動弁系も、バルブはIN/EX共に交換したが、バルブスプリングは折れずに荷重も著しく落ちていない。
カムチェーンはキンクするけれど、カム軸は潤滑具合が良好で、テンショナーも破損の兆候は無い。
R25は、ドコかが定期交換となる代わりに、ドコかはヘタらずに続投ができる部品が混在している。
全てが頑丈で重く丈夫ではない代わりに、全てが華奢で「全とっかえ」にもならない。
そんな、定期交換の見極めがハッキリとしてきた、今期のYZF-R25エンジンでした。
明日も頑張ります。