
YAMAHA YZF-R25 オープンカテゴリー用エンジン完成しました。
ここ数年、CBR250RRの台頭によりニンジャ250と共に、YZF-R25も「オープンカテゴリー」へとコンバートする方が増えてきて、弊社でもOPEN仕様へと希望される方が多くなってきました。
高性能リアクションとカートリッジフロントサスを装備すると、今でもCBR250RR以上のコーナーリング性能を誇るのに、エンジンパワーだけが2015年当時のまま。
あ、いや2018年以降はパワーダウンして、差が開く一方でオモシロクナイ。。。
そんな方たちが、JP250やST250を捨てて「オープン250㏄クラス」や「SS250クラス」といった、
モディファイドクラスへとコンバートしている流れがあります。
まあ、レースに参戦せずともスポーツ走行のみで走っている方も多く、趣味で走っているならば
「もっと気持ちよく走りたい!」と感じている方が増えたのだと思いますし、モータースポーツを楽しむならエンジンモディファイというのを体感してみるのも、ビッグバイクでは味わえない「小排気量ならではの醍醐味」といえるかもしれません。


腰下:トランスミッション、クランクシャフト、コンロッド他はSTDのままです。
YZF-R25は標準のままでもバランスの取れたクランクシャフトを採用していますし、
コンロッドも大昔のように重量合わせを行わなくとも、十分に精度高く重量差が僅差です。

ピストンはYEC-KITの「重量合わせピストンセット」を採用しています。
手作業で重量がぴったりの物を揃えて販売しているのですが、当然ですがピストンサイズもほぼ揃っています。

クラッチ板は250㏄のままなら増量は必要ありません。
クラッチスプリングも最適な設定なので、滑っていると感じたらスプリングを新品にしてください。
ただ、上の画像のように純正のクラッチプレッシャーは「オイル落とし穴」が大きく開いているので、
スプリングを締め付けると、ご覧のように端面が脱落して、スプリングが内側に傾いてしまい、
操作性も悪くなるばかりか、ジャダーや滑りも誘発します。

そこで、弊社アイテムである「クラッチスプリングシート」を用いて、傾きと脱落を防ぎ、
操作性に優れたクラッチフィーリングを実現しています。
コレは、半クラッチを多用する走り方や、リリースを上手くコントロールできない人にも好評です。


性能向上の肝は、やはりシリンダーヘッドです
ポートは「バルブシート近辺」の形状を整え、インマニから続くポート形状をスムージング
バルブシートカットを行い、バルブ擦り合わせ。
シリンダーヘッド面は、もちろん面研を行っています。(*画像と数値は企業秘密です)

排気ポートは下顎の部分はサラリと済ませ、ポートの出口近辺の形状を丸く整え、
バルブガイドも短くカットして、排気バルブからの排気をスムーズに外Rを通るように導きます。

カムシャフトは純正のままですが、
バルブスプリングは、全数テスターで荷重測定を行い、タペクリ・バルタイも性能優先で調整。

高い圧縮に対して電極脱落を嫌い、沿面プラグを採用しました。

ウォーターポンプシールも新品に交換し、ガタが多かった「樹脂ギア」も新品にしました。
派手な内容ではないにしろ、4サイクルエンジンの高性能化に関与するスペックは押さえており、
フルコンや高性能サブコンを使えば、ツルシのCBR250RRと同等以上のパフォーマンスを発揮します。
もちろん発熱量に対して高性能ラジエターや高性能マフラーも必要になってきますし、
フレッシュエア導入やラム圧を入れずとも、レーシングエア₋エレメントを使えば、
綺麗に上も回ってくれると思います。
御用命ありがとうございました。