あいかわらず、ST250やJP250クラスのエンジンをレースユーザー様のスケジュールとともにメンテナンスしておりますが、並行して2ストエンジンも進めていますよ。
まずは、クランク焼き付きでエンジンストップ。 元のオーナー様がバラバラにしちゃったエンジン君です。
コンロッドのリビルドパーツを開けてみたら、「KTM」の文字が。。。
そう、このエンジンって嘗ての「KTM-85SX」なんですが、ブランド路線を変更して、
このマシンは「ハスクバーナ TC85」って名前で売り出してはいるけれど、中身は一緒ってこと。
焼き付いたクランクは、メーカー純正コンロッドSETが出ているので、打ち換え可能なんです。
1個1個パーツを洗い出し、不足分は部品を注文し、細かいボルト類など足りないものが多かったけれど、
何とか完成に至りました。
クランクケースは「ソーダブラスト」で処理したため、泥汚れも落ちてスッキリ綺麗になりました。
コチラも、ある程度は組みあがっていましたが、基本的に「バラ・ニコイチ」でくみ上げた、NSR50エンジン
クランクケースとヘッドはソーダブラストで綺麗にしてたので、元の状態からは見違えるようになりました。
サンドブラストのように攻撃性も強くなく、明らかに「処理しました!」って仕上がりではなく、
経年劣化は感じられるけれど、よく手入れされたエンジンって感じに見えるので、
僕自身がこの「ソーダブラスト処理」は気に入ってます。
けれども、深い錆や腐食まではキレイに取ることはできません。
あくまで「手磨きよりも美しく、サンドブラストよりも自然な風合い」になっている感じです。
イメージ伝わりますかね?ww
綺麗に見えるシリンダーも、実は再塗装です。
高価なウレタン塗装ではなく、お手軽なラッカー系ですが、低温オーブンで乾燥させているので、
ベタつかず、硬く薄い塗膜ができあがります。
費用はかけず、手間暇はかけていますww
クラッチカバーは、あえて「再塗装」せず、盆栽ではなく「走っているエンジン」を主張しています。
SUS441オリジナルフィラーキャップも、少数ながら第2ロッドに至っております。
このエンジンの最大の特徴は、
クランクシャフトもシリンダーも「リビルド」された物で構成されていることでしょうか。
クランクは日本国産の社外コンロッドセットを用いてリビルドし、
シリンダーも社外ピストンメーカーの「0.5mmオーバーサイズピストン」を組み込んでいます。
そのままボーリングしただけでは、ポートの高さも大きさもバラバラになってしまうため、
排気ポートも掃気ポートも、後期型シリンダーに沿った仕様でポートの「高さ形状修正」を行っています。
厳格なレギュレーション化で行われる選手権レースでは「ノーマル」ではなくなりますが、
趣味性が高いイベントレース、MFJ管轄ではないミニバイク耐久レースでは、主催者判断で「修理・メンテナンスの範疇」と認められ、参戦できるレースも増えてきました。
最後は、KSR-2の「腰上・クラッチメンテナンス」をメインとした「ライトリフレッシュ作業」のエンジンです。
シリンダーは焼き付いていたものの、シリンダーへの攻撃性は低く、調度よいサイズのピストンもあったため、
「再ホーニング・ポート高さ形状修正」を行って、純正サイズで修理しました。
クラッチは、定番である「強化バックホイール+アルミプレッシャープレート」を組み込んで、完成。
まあ、250ばっかりではないという事でww
明日も頑張ります!